日産リーフの構造的な欠陥の疑いについて②

リーフの欠陥の疑いについては1月9日に↓の記事を投稿していますが、本日告発者のAさんにあらためてお話しうかがいましたので内容は重なる部分もありますが、私の所感について書いてみたいと思います。

不具合情報さらに

 この間も国交省の不具合情報サイトには全国の日産リーフユーザーから不具合情報が寄せられています。

 Aさんが指摘しているフロントストラットマウントの不具合に該当する「緩衝装置」の不具合情報には2025年2月12日現在前回の投稿時よりも2件増え、23件となっています。

 内容は「走行中にガタガタと異音がし、スリップしたような挙動になった。整備工場へ入庫して確認した結果、右前輪のショックアブソーバーが外れていた。」(2024年12月25日)、「一般道を走行中に車がガタガタと振動した。整備工場で確認したところ、運転席のショックアブソーバーが抜けていた。」(2024年11月15日)など明らかにフロントサスペンションが外れてしまった事例が追加となっています。

サビと脱落の関連も示唆

 以前からの投稿ですが「右フロントサスペンションのアッパーマウントに雨水が溜まって錆びていると指摘され、交換を提案された。」(2021年12月12日)、「構造上の問題でアッパーマウント部分に雨水が溜まったために錆が発生し、マウント部分が走行中に破損してストラットが脱落した。」(2021年10月12日)など、構造上発生するサビとの関連性も窺わせる投稿も散見されます。

日産は問題なしとするも、現場は「危なくてしょうがない」

 フロントストラットのサビと破損について日産はAさんに対し「フロントストラットのマウントインシュレ一夕が錆により破断した場合、破断音が発生します。また、破損部同士が干渉することで異音やフロア振動が発生します。破断した場合においても、凹凸路面走行や急旋回などの走行を想定した評価において、挙動の変化はなく、且つ、検知性も有ります。本事象が原因で不安全となる車両挙動は無く、走行不能、操縦不能には至りません。」と回答し、問題ないとしています。

 しかし、脱落発生時に持ち込んだ自動車修理工場では「アッパーマウントが錆びて抜け落ちていて、これ以上の走行は大変危険です。 」と言われ、Aさんの「よくあることですか?」の問いに対しては「あるわけないです。こんな部分が取れたら車じゃないし、危なくてしょうがない。保安基準に通らないですよ。通常では考えられない事故で、取れてはいけない、取れるはずがない部分が取れました。」と返答があったそうです。また、「帰るために少しなら運転しても平気ですか?」と尋ねると「走行中ハンドルが効かなくなるかもしれないので下手したら大事故になりますよ。このままレッカーを呼んでください。死にます。 」と自走は危険で無理との見解が示されたそうです。

スバルレガシィはリコール

 2017年にスバルのレガシィは「ストラット上端取付け部の締結緩み評価が不充分なため、縁石乗り上げなどの衝撃で取付けナットが弛むことがある。そのため、そのまま使用を続けると、当該取付け部にガタが生じて損傷し、異音が発生するおそれがある。」としてリコールとなっています。

 実際に車(リーフ)を見てみると、雨水などがフロントガラスを流れ落ちる際にフロントストラットの取り付け部に水が入り溜まる構造となっていることがわかります。ある中古車販売店の店主の方によると、リーフがそうした構造でサビが発生していることは業界では常識となっているといいます。

 もしフロントストラットの取り付け部が浸水により錆びやすい状態にあり、その錆によってフロントストラット(サスペンションアッパーマウント)の破損につながっているとすれば、スバルが「当該取付け部にガタが生じて損傷し、異音が発生するおそれがある。」としてリコールとしたレガシィのナットの緩みよりも深刻な事態であり、リコールの対象とすべきではないかと思います。

人の命が失われる前に対策を

 不具合情報に寄せられている情報は氷山の一角であり、実際の「脱落」のケースはもっと多く起きていることと思います。いまのところ重大な事故になっているとの情報はありませんが、全国で8万台以上も販売されている車がこうした状態で使用されているなか、いつ事故が起きてもおかしくありません。人の命が失われるような重大な事態につながる前にリコールによって全車を点検し安全を確保する対策が取られる必要があると思います。