9月14、15日の二日間、決算特別委員会が開催され2020年度の決算審議が行われました。コロナ禍で、市民からは負担軽減や感染の抑制に有効な検査体制の拡充が求められてきました。しかし決算審議を通して、こうした声には応えられていない行政運営が明らかになり、決算認定には反対を表明しました。
9月17日の議会最終日には議場で反対討論を行い、採決で反対しました。
以下は行った討論の全文です。
議案第64号令和2年度藤岡市一般会計歳入歳出決算
まず議案第64号一般会計についてです。
昨年度は2019年の10月に引き上げられた消費税の影響が残る中、新型コロナウイルスの感染が拡大し、市民生活に影響が大きくひろがりました。
市民は市内でも感染が広がる中で生活上の不安が増大し、一刻も早い感染の収束を願っています。
感染の広がりを抑えるためには実態の詳細な分析が必要であることから、ワクチン頼みではなく検査体制の抜本的な拡充を一般質問などで求めてきました。しかし市は、陽性判明者の周辺を検査するという方法を踏襲しているなかでクラスターの発生が頻発する事態になりながらも、対象が限定されたなかでの検査しか行ってきませんでした。これでは市民の不安に応えることはできないものと考えます。
また経済的困窮の広がりが深刻です。
国の定額給付金や持続化給付金等の事業や市独自の支援金給付事業は家計の助けとなり、多くの市民の暮らしの立て直しや維持を支援するものとなりました。しかし、たとえば社会福祉協議会の生活福祉資金のコロナ特例貸付制度の状況をみると、緊急小口資金で459件総合支援資金で300件の申し込みがあり、延長、際貸付と続いていることから市民の困窮状態も継続しているとみられます。また、市税の徴収猶予申請は69納税義務者、2億3208万9,300円、国民健康保険税では徴収猶予は19万1100円、減免申請が2063万円にものぼっています。市民の負担軽減がこれまで以上に求められているのではないでしょうか。
保育園の副食費の全面的な補助や市営住宅への給湯器の設置による入居者負担の軽減、子育て応援券の使い道の拡充などこれまで市民が求めてきているものについては改善がない一方、感染リスク増大の要因ともなりかねないオリンピックの聖火リレーのイベントのために一般財源を支出することが適切であったのか疑問です。
議案第65号令和2年度藤岡市国民健康保険事業勘定特別会計歳入歳出決算認定
次に議案第65号国保会計についてです。
コロナの影響は非正規労働者、中小企業業者などの国民健康保険加入者に特に大きな影響を与えるものと考えられます。収納率は前年と比べて改善していますが、国保税収全体で約0.6%分とわずかでした。コロナ特例の減免申請は2063万円と調定額の1.3%分であることを考えれば収納率を押し上げたのはこの減免分と考えるのが自然です。加入者にとって高すぎる国保税は根本的な軽減が求められているのではないでしょうか。こどもの均等割を軽減する国の方針は範囲が未就学児のみと限定的です。市費によって対象を拡大し、収入のない子どもに課税する仕組みを改めるべきですが、その考えはないという答弁は市民の暮らしに背をむける姿勢を示すものと考えます。
議案第69号令和2年度藤岡市学校給食センター事業特別会計歳入歳出決算認定
最後に議案第69号の学校給食センター特別会計についてです。
昨年6月の分散登校時の持ち帰り給食の内容は市民から疑問の声が上がっています。
昨年の3月議会では令和2年度予算の討論のなかで、学校給食に対する認識について指摘させていただき反対をいたしましたが、この指摘を今後十分に活かしていただきたいと思います。非常時であり現場の苦労もあったと思いますし、直接市民からの指摘が届いているとのことでしたのが、子どもたちの食という教育の基本を担う立場であることは常に意識していただきたくあえて認定に反対といたします。
以上の理由により3議案について認定できないものと考え、反対討論といたします。議員の皆様のご賛同をよろしくお願い申し上げます。