関東大震災朝鮮人虐殺藤岡事件追悼のつどい

コロナ禍のなか、規模を縮小して開催

藤岡の成道寺で98年前の関東大震災の朝鮮人虐殺事件を追悼するつどいに参加しました。全国で犠牲者は数千人ともいわれていますが、藤岡でも17名の方が犠牲になったといわれています。
つどいは毎年行われていますが、今年はコロナの影響で、昨年と同様にお寺での法要とお墓参りのみでした。つどいを開催し事件を忘れないことが、犠牲になられた方の何よりの供養になると思い、参加させていただきました。

植民地政策に対する真摯な反省を

朝鮮人の虐殺事件は当時の住民が震災の不安定な心情のなか流言飛語に踊らされたことで凶行に至って起きた、と言われています。しかしその根本には、当時の政府や軍がすすめた植民地政策によって朝鮮人への差別的感情が助長されてきたことが背景にあるのではないでしょうか。

戦後76年経っていますが、日本は国としていまだに当時の植民地政策が誤りであった、と反省が不十分だと思います。たとえばコロナ禍のなかで学生への支援給付金制度が創設されましたが、朝鮮大学校の学生は給付対象から外されました。また、今年の4月には植民地支配のもとで行われた従軍慰安婦の強制連行や徴用工をはじめとする強制労働などについて、「従軍」や「強制」は不適切な表現、とする閣議決定が行われています。

つどいへの参加を通じて、植民地政策に対する真摯な反省こそ当時虐殺の犠牲となった方への本当の供養であり、再びこうしたことが起きないために必要なのでは、とあらためて思いました。