bookmark_border学校給食費の無料化を求める請願への賛成討論

平成30年第5回藤岡市議会定例会最終日

本日の議会最終日は、各委員会の審議結果の報告と請願に対する討論がおこなわれました。中澤は請願第3号の「学校給食費の無料化を求める請願」に対して賛成の立場で討論を行い、趣旨採択の委員会決定に対しても賛意を表明しました。

以下は、請願への賛成討論です。

学校給食費の無料化を求める請願への賛成討論

議長より登壇の許可を頂きましたので、請願第3号への賛成討論をさせていただきます。

請願では、冒頭で学校給食が「食育」を推進する教育の重要な柱のひとつとなっているとしています。食育基本法のもと、食育の推進には学校給食の充実は欠かすことの出来ない要素のひとつであると考えます。こうした教育の重要な柱とされている学校給食はその費用が家庭の重い負担となっています。

質疑のなかで藤岡市としては「滞納の原因として貧困は少ない」という立場をとっていましたが、その根拠は示されていません。 滞納世帯の内訳として、生活に困窮していると考えられる就学援助制度利用世帯の滞納は、そうでない世帯と比べて1/4程度であり、低所得者のほうがむしろきちんと給食費を収めているという見解が示されていました。しかしこのことを以って払えるのに払わない人が多いとは言えないと思います。滞納世帯に就学援助利用世帯が少ないのは、就学援助制度によって給食費の大半に相当する額が補助されているからではないでしょうか。就学援助制度を利用していない世帯で滞納が多いということは必要とする援助が行き届いていないということなのではないでしょうか。

いま貧困は大きな社会問題のひとつとなっています。しかしその実態は見えづらくなっています。平成28年調査の国民生活基礎調査では全国の貧困率は15.7%、こどもの貧困率は13.9%となっている一方、藤岡市の生活保護受給率は0.5%、就学援助受給人数は全体の8.4%といずれも貧困率には届いていません。生活困窮の状態にあっても十分な支援が受けられていない状況となっています。就学援助制度を利用せずに滞納している世帯が「払えるのに払わない」家庭であるとはいえません。

学校給食法では保護者負担とされる材料費ですが、自治体の財政支援を禁じているものではありません。家庭の状況が多様となり、経済的な格差もあるなか、重い負担を軽減させ教育を受ける権利を保障することは社会の役割であり、憲法からの要請でもあると思います。

群馬県内では、今年度から新たに4の自治体が無料化または一部補助をはじめ、現在は県内市町村の約66%が学校給食費への財政支援を行っています。また藤岡市内の市民からは無料化を求める署名も1,000筆以上が市へ提出され、世論も高まっています。国が一律の制度として行うための後押しとしても藤岡市でも実施するべきと考えます。

以上のことから、本請願にしたがって学校給食費の無料化を議会として提言するべきと考えます。議員皆様のご賛同をよろしくお願い申し上げます。

趣旨採択・賛成の広がりに希望

今回の議会では、採択の結果は趣旨採択・賛成ともに少数で不採択となりましたが、会派を超えて給食費の無料化には賛同が広がっています。市民の署名も多数集まっています。実現にむけて希望のある結果で、今後の活動の力となるものだと思います。