法人市民税が増収の内訳は
今年度予算では法人市民税が増収の見込みです。しかし、これは市内の景気が上向いていることを示すものではありません。
法人市民税にも法人ごとに課税される「均等割」と利益に応じる「法人割」の2種類があります。均等割の課税額は個人市民税と違って一様ではなく、法人規模や資本金によって課税額が異なります(↓の※を参照)。その課税状況を見てみると、市内経済の様子が少しみえてきます。
中小企業は減少し、大企業が増加
均等割の課税段階は1号から9号までの9つに分かれています。7号からは資本金10億円以上の企業で一般的に大企業といわれる段階です。今年度の予算は平成28年度決算の実績をもとに課税額を算出しています。平成28年度から過去3年を遡って、均等割の課税状況をみてみると、6号までの中小企業数は11減(↓の表中①)の一方で大企業は10増(表中②)となっています。課税額の大きい企業が増えたために担当課では法人市民税全体の増収の要因を「強みのある企業がある」と表現し、景気の上向きを強調しています。しかしその一方で中小企業は減少し、市内経済にも格差が広がっているとみることができます。
まちなかの賑わいを
税務担当者は、郊外の工業団地へ大きな企業を誘致した結果、強みのある企業が増えたと考えています。たしかに税収は上がっていますが、一方でまちなかなどの中心市街地は人通りもなく寂しいままです。小さな商店や企業をもっと応援する市政で、まちなかの賑わいを取り戻しましょう。