bookmark_border【3月議会一般質問】このまま進めていいの?GIGAスクール構想について

 3月7日の一般質問では「GIGAスクール構想について」をテーマとして、いま進められている教育へのデジタル端末の導入や活用の状況について質問を行いました。

1人1台端末導入から、来年度末で丸5年

 GIGAスクール構想は、デジタル端末を小中学校の子どもたちに行き渡らせる「1人1台端末整備」を中心にすすめられ、来年度末で丸5年となります。端末購入費で2億1千万円、授業支援ソフトで5400万円、デジタル教科書に600万円など、多額の経費がかけられています。

市は「有効性がある」、一方で世界は見直しの流れ 

 藤岡市教育委員会では1人1台端末を整備したことで、協働的・対話的・深い学びの促進、自動採点ソフトの導入で教員の負担軽減につながる、外国籍の子どもや障害・発達特性に応じた学習が可能になるなど「有効性」があるとしています。一方で、近年はデジタル端末(ICT機器)の教育現場への導入を見直す動きが国際的に広がっています。IT先進国のスウェーデンでは「脱デジタル」へと舵をきり、ユネスコの発表したレポートでもICT機器を利用すると学力が下がるという相関がみられることや、デジタル端末の画面を見つめる「スクリーン時間」の大幅な増加を指摘し、懸念が示されています。

全国学力調査でもICT使うほど正答率低く

 下の表は文科省の全国学力・学習状況調査の「学校の授業時間以外に、普段(月〜金)、1日あたりどれくらいの時間、ICT機器を勉強に使っていますか」の質問に対する小中学校の児童生徒の回答別の平均正答率を表したものです。

 表をみると、文科省の全国学力調査でも、家庭の学習にICT機器を使っている時間が長いほど、テストの正答率が下がるという結果が現れています。またその傾向は中学生よりも小学生に顕著となっていて低年齢の子どもへのICT機器の影響が心配される結果です。

「スクリーン時間」も大幅に増加

 今年の藤岡市メディア調査では「平日のスマホ・タブレット使用時間」がこの5年間で小学生は47分から83分へ、中学生では83分から141分へと大幅に増加しています。1人1台端末が整備されたことによってデジタル端末がより身近に、使用のハードルが下げられていることが影響しているのではないかと思います。

 ↓は藤岡市メディア調査の結果を集計したものです。

このまま進めていいの?慎重な取り組みを

 市の来年度予算には端末の更新のための大きな予算が計上されています。デジタル教科書の活用が本格化し、端末の家庭への持ち帰りもすすめられるなど、GIGAスクール構想はさらに推進される方針です。学力調査の結果やスウェーデンの事例、ユネスコの指摘を真摯に受け止め、慎重に取り組むよう求めました。