紙に印刷しての提供は2020年度から
防衛省は自衛官等募集のための資料として、住民情報の提供を全国の市町村に要請しています。情報提供の方法は、2019年度まで「閲覧」にとどまり、写しの作成は手書きでの作業が必要でした。しかし2020年度以降、自衛隊法施行令第120条の「防衛大臣は、自衛官又は自衛官候補生の募集に関し必要があると認めるときは、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提供を求めることができる。」の規定を根拠に、住民情報を紙に印刷して提供しています。
市民には知らせず、「除外申請」も受け付けていない
提供されている住民情報は、その年度中の22歳と18歳の市民で2024年度は合計1163名分です。全国では、自衛隊への情報提供の事実をHPでの公表し、情報提供を拒否する場合の「除外申請」の受付を行なっている市町村もあります。しかし藤岡市では、広報でもHPでも周知されていないためほとんどの市民は知る術がなく除外申請も受け付けていません。
過去5年間で情報提供は5,989名分
情報提供されている市民の情報は2020年度からの5年間で5,989名分です。この中には2024年度分も含まれていますが、年度開始とほぼ同時にすでに情報は提供されているようです。
市民の基本的人権を無視するようなこうした情報提供は、岸田政権の軍拡を無批判に容認することにもなり、やめるべきと考えます。少なくとも情報提供の事実と除外申請の受付を市民に知らせるべきではないでしょうか。
↓情報提供実績の推移(藤岡市市民課の情報をもとに中澤が作成)
募集年度 | 22歳 | 18歳 | 合計 |
2020年度(令和2年度) | 627人 | 657人 | 1,284人 |
2021年度(令和3年度) | 611人 | 626人 | 1,237人 |
2022年度(令和4年度) | 584人 | 579人 | 1,163人 |
2023年度(令和5年度) | 551人 | 591人 | 1,142人 |
2024年度(令和6年度) | 590人 | 573人 | 1,163人 |
合計 | 2,963人 | 3,026人 | 5,989人 |